Meeさんの旅立ち
6月11日~12日まで血尿に苦しめられましたが、その後回復、
食事も排泄も以前同様にできるようになっていましたが、
17日午後嘔吐、その日の夜半、18日AM1:00に息を引き取りました。
いつもの布団で、いつものように腕に抱かれて静かに旅立ちました。
もう少し落ち着いてからの報告とも思いましたが、
今でなければ書けないこともあると考え、
自然な気持ちでPCに向っています。
Meeの旅立ちを穏やかに見守ることができたのは、幸せなことでした。
そういう風にしてくれたもう一匹の猫の話もしなければなりません。
少し長くなりますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
Meeと一緒に兄弟のように暮らした猫がいました。
名前はBee(びぃ)13才の時に病死ししています。
当時は猫と一緒の生活を楽しむばかりで、
病気や老衰など、猫の死に向き合う知識や心構えがありませんでした。
最初に飼った猫のミャンは3才半ぐらいの時に交通事故死をしています。
猫というのはそういう風にいきなりいなくなってしまうものだと、
心のどこかで思っていたのかもしれません。
Meeは小さい頃から血便があったり膀胱炎を繰り返したり、
およそBeeよりも長生きするようには考えられませんでした。
10才の頃でしょうか、長くて立派なヒゲが伸びていて、
それが抜けた時にMeeの形見のように思えて、
変なことかもしれませんが抜け落ちたヒゲを集めるようになりました。
いつかいなくなってしまう猫の思い出を、
早いうちから確保しようとしたのかもしれません。
Beeは病気知らずの元気な猫でした。
シャムの雑種で、家や家族を守る意識の強い猫でもありました。
住んでいる地区一帯が縄張りで、外へ出かけて縄張りをチェック、
しかし、それほど強くはなかったのでしょう、
ケンカをしては傷を作ることもしばしばでした。
元気なBeeが、ある時、乾いたようなウンチをするようになり、
動物病院へ連れて行った時、既に病状は進んでいました。
数回の輸液もしましたが、2週間後には旅立ってしまったのです。
その間の私というと、泣きながらBeeを抱きしめて
ごめんなさい・ごめんなさいと、謝り続けるばかりでした。
2003年10月始め。
Beeは食べることを拒否したまま旅立ちました
自分がBeeを死なせた、何の知識もなく、ただ死なせてしまった。
そういう思いが強く、
それからしばらくの間、小さな闇の中で暮らしていたような気がします。
毎日雨が降り続き、時々雨がやむと虹が出ていました。
降り続いた雨と、毎日のように見えた虹、
それがBeeの死を連想させて、雨も虹も嫌いになりそうでした。
秋にBeeが旅立って、その年の冬のことはあまり覚えていません。
ただストーブの前に椅子を二つ並べて座り、
伸ばした足にひざ掛けを掛けて、
その上にMeeを抱いていました。毎日・毎日がそうでした。
小さな闇は、Beeの死を誰にも言えなかったことです。
親しい友人にも猫友達にも誰にもです。
遊びに来た人がBeeの姿が見えないというと、決まって
「もう年だから動けなくて・・・だから二階に寝かせているの・・」
そんな風にごまかしました。
家業は小売店で、店にはお客さまが来ます。
接客の時には笑って話して、二階へ行ってはメソメソ泣いている、
半年以上もの間、そういう生活を続けました。
その間、何も言わずに好きにさせてくれた夫には感謝しています。
もしも励まされたり、慰められたり、
無理にBeeの思い出話をされていたら、
もっと頑に心を閉ざすことになっていたかもしれません。
Beeが旅立って9ヶ月めにHuuを迎えて、
前と同じように猫との楽しい生活が始まりましたが、
夜半に雨が降り出したりするとBeeのことを思って涙が出ます。
泣かなくなるまでの時間は1年半かかりました。
老猫会のサイトの中で交わされる会話の中の「時薬(ときぐすり)」が、
ようやく効いてきたのでしょう。
その頃から「虹の橋」の話も素直に受け入れられるようになりました。
長くなってすみません 下の
に続きます。
6月17日午前
テーブルのHuuが狙っているのは・・・
なぜかシールが気になる。くっつくものが嫌いなのに、ガブッと(^^)
後ろのテレビに写っているのはフジコ・ヘミングさん、
あの方もニャン&ワンが大好きですね♪
膝の上にはMee
Huuを遊ばせながらMeeを抱いて、それが当たり前の生活でした。
Meeさんの話に戻ります。
Beeが旅立ったあとのMeeはというと、
夜になると、大きな声で鳴きながら歩き回る事が多くなりました。
Beeを探しているようにも見えます。
そんな時にHuuを迎えて、それから鳴いて歩き回る事は無くなりました。
小さなHuuに追い回されて、そのうちに小さかったHuuが成長して
初めての発情を迎えた時にMeeの本能も現れました。
だからMeeにとってのHuuちゃんは、とても大切な存在になったのでしょう。
Beeが旅立って、Huuを迎え、そしてチョビが加わりました。
年とともに次第に衰えていくMeeさんでしたが、
二匹の若い猫に慕われて幸せに過ごせたと思います。
6月11日から12日まで続いた血尿が止まり、
食欲が戻り、シッコの間隔が短い以外は以前と同じ生活が戻りました。
俗にいう目力も強く、死期が迫っているようには見えなかったのです。
しかし、6月17日の朝には強制給餌の食事とサプリメントも、
少量しか受け付けません。
その日の午前中に写したのが上の画像です。
血尿後の回復はMeeがお別れを言うために作った時間のように感じます。
午後もゆっくりとした時間が過ぎていきました。
午後、いつもの時間より少し早めに、
固形物を食べなくなった時のために用意したカロリーエースを少量。
初めての流動食でしたが、スポイトで上手に飲んでくれ、
これで一安心、と、その時は思いました。
午後5時くらいに嘔吐、少しだけ食べていた朝食も
午後の流動食も全て吐き戻しました。
色は茶色、酸っぱい匂いで嫌な感じではありませんでした。
それ以後、HuuはMeeから離れ、近くにはいますがただジッとしています。
Meeも身体を動かすことは少なく、空を見つめているようです。
瞬きする事も少なく、目を見ると僅かに動いています。
眼振という言葉を聞いた事がありますが、
もっと小刻みに早く動くものと思い込んでいました。
Meeのゆっくり左右に動くのも眼振なのかどうか分かりません。
ただ、もしかしたら最期の時が近づいているのではと感じました。
もう少し続きます。下の
へ・・・
Meeは猫ベッド、Huuがいるのは私の椅子(17日午後2時半ごろ)
チョビもくつろいでいて、それからそろそろと上に上がってきました。
ベッドの上の3ニャンコ
Meeが残してくれた素敵な時間
血尿後、初めてMeeさんに抱っこのHuuちゃん、どれだけ安心なのか・・・
夜はいつもより早い時間に布団に入りました。
毎夜、夜食を食べさせていましたが、
今は何を口にしても吐き戻すだろうと夫と意見も一致。
少し眠っていて、Meeの動く気配を感じて11時過ぎに目が覚めました。
二回目の吐き戻しです。一回目と同じく茶色でしたがにおいが違います。
吐瀉物からも吐く息からも、血の混じったようなにおいが漂います。
夫との間にいたMeeを反対側(私の左側)に寝かせ、
吐瀉物で汚れた部分をムースで洗い、タオルで丁寧に拭きました。
何度もゆっくりと時間をかけてきれいにしました。
少しずつ息が早くなるようでした。
左手に頭を載せ、右手で頭や身体を撫で続け、
その合間に右手で胸をスッポリと包むと、
Meeの鼓動が直接指先に伝わってきます。
何度か同じ事を繰り返しましたが、その度にしっかりと鼓動を感じます。
「この子は心臓が強い、心臓が丈夫だったのだ」と、そう思いました。
だから弱くみえながらも長く生きられたのかもしれません。
午前零時を30分ほど過ぎた頃でしょうか、
前足の先が少し震え出し、しっかりと握ってあげました。
冬の夜、時々布団からはみ出して
冷たくなった足を握って暖めた事を思い出していました。
息が少し荒くなったMeeの耳元で伝えたかったことを囁きました
「Meeさん、だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。
Meeちゃん恐くないからね、Meeちゃん楽しかったね、ありがと・・」
かすかに頭が動いて、確かに声は届いたようでした。
ほんの少し吐いて、それから四肢を数回、
ぐぅーっと伸ばしたり縮めたりを繰り返したあと、
指先に伝わる鼓動が遠くなりました。
午前1時 Meeは息を引き取りました。
夫がぽつりと言いました。
「どうして、夜中なんだろうな・・・」
7年前、Beeが息を引き取った時も真夜中のことだったのです。
ウトウトと眠ったり目が覚めたり、
目が覚めた時はMeeを撫でていましたが、
少しずつ冷たく、また、こわばっていくのが分かりました。
朝がきて、Meeの顔を見なおしましたがやはり目は開いたままです。
息を引き取った直後から数回、目を閉じさせようと思いましたが、
目は開いたままで、穏やかな顔です。
どんなに具合が悪くても瞬膜が出なかったのは体質なのか、
生きているのと同じ顔のままでした。
夫が埋葬の準備をする間、Meeにお別れを言う時間ができました。
寝室から庭が見渡せる猫部屋へ移し、
回りのものも少しだけ片づけました。
その間、おかしなもので、口から出たのは
あさは・・どこから・くるのでしょ・・あのやまこえて・・たにこえて・・
同じ歌詞だけを延々と口ずさんでいました。
時々声が震えましたが、
Huuちゃん、ちょびちゃん・・・あーさは・・どこから・・
おかしなものですね。
タオルにくるんだMeeに、持たせてやるものがあります。
大好物の干したホタテ、用意しながら食べのこしたホタテの刺身
これは3個だけ残っていました。
亡くなる前日まで食べられたのですからたいしたものです。
そしてもう一つの好物の焼き海苔。
大事なのはBeeへのお土産に小さなサラミ
これは夫に用意して貰いましたが、
その時にはさすがに涙が溢れてきました。
あとはオモチャです。Huuやチョビとあそんだオモチャを少し。
庭の奥にミャンやBeeが眠っている場所があります。
同じ場所にMeeも眠ります。
用意を終えた夫が窓の下から声を掛けてくれました。
その時、Meeを抱いていく事はできたのですが、夫にきて貰いました。
Meeを抱き上げようと身体の下に手を伸ばした時、
身体と寝かせていた座布団にMeeの温もりを感じたからです。
夫にもその体温を感じて貰いたかった。
1時に息を引き取って、埋葬の準備が整ったのは7時半ごろ、
それだけの時間があって、身体は固く硬直しても温もりがあるのです。
梅雨が始まったばかりですが、天気は穏やかです。
こういう日に見送ることができて良かったと思います。
埋葬の準備をしている間、猫部屋に寝かせ、窓を開け
朝の冷たく澄んだ風を感じていました。
開けた窓の側にHuuがいます。
時々チョビもやってきて、Meeに持たせるオモチャで遊ばせました。
そうして自然にお別れができたのは幸せでした。
・・・・・・・・・・・・・・・
なかなか上手くまとめられず。
長々とその日のことを書き綴ってしまいました。
このあとも書き直したり、追記したりを繰り返すかもしれませんが、
Meeを応援してくださった皆さんへの報告として
今日書いたものをUPしたいと思います。
動画は6月11日のMee&Huuです。
血尿が続いて体調が悪かったのですが、よい天気で
猫部屋へ連れ出しました。
風の匂いや雀の声を感じてほんの少しですが嬉しそうにしています。